今回はダンロップのコンフォートタイヤ、ルマンVについてのご紹介です。
約3万km走ってよかったところ。
- 優れたドライ性能
- 低燃費
- 耐摩耗性(ロングライフ)
45扁平ということもあると思いますが剛性感があり右左折もクイックに曲がりますし、低燃費タイヤのはずなのにハイグリップタイヤのような地を這う感じはドライ路面ではとても頼もしいです。
ということは転がり抵抗も強く燃費は悪いかというとそうではありません。乗り始めた頃から今もそうですが、アクセルを抜き、惰性走行を始めると、思った以上に転がり驚きました。では止まらない危ないタイヤなのか、これも違います。ブレーキを踏み、荷重がかかるとしっかりと路面に食いつき止まってくれます。燃費も自分の中ではAWD・AT・ディーゼルのCX-3なら16km/L出ればいいかなと思っていましたが17~18km/Lを安定して出してくれます。
耐摩耗性もすごいです。トレッドを見れば当然ですが各ブロックが大きく、耐摩耗性に優れたタイヤだというのは伺えましたが、3万kmでスリップサイン到達、という方が多く私も覚悟していましたが、3万km走っても1.5mmしか減っていない…交換推奨ラインまで6万km、スリップサイン到達は10万km近くになりそうです。お陰で3年3万kmで交換かな、と構えていたところ5年5万kmでゴムの対応年数やタイヤの摩耗的に交換となりそうです。(余談ですがアウト側の「V、レ点・チェックマーク」のようなものは3万km・1.5mm摩耗でほとんど消えたのでこのマークは走行性能を高めるようなものではないのかもしれません。)
ルマンVの悪いところ。
- サイドウォールの剛性が高すぎる?
- ウェットグリップが頼りないと思うことがある
- 期待していたほどの静粛性ではない
45扁平ですのでそう感じるのかもしれませんが、許容耐荷重(負荷能力)ギリギリの200kPaに空気圧を落としても段差を乗り越えた時の衝撃や音が強く、サイドウォールが衝撃を吸収しきれていないように感じます。SHINOBIテクノロジーでサイドウォール全体をたわませ衝撃を吸収するそうですが、展開しているタイヤサイズ的に重量級セダン・SUV、軽自動車やミニバンもターゲットにしていると思うのでふらつき防止である程度サイドを固めているのかもしれません。近年ホイール大径化が急速に進んで乗用車は40~50扁平が当たり前になっているので扁平専用コンフォートタイヤの展開や次のモデルでは改善に期待したいです。(一応、16インチ60扁平のスタッドレスタイヤよりは衝撃をうまくいなしてくれている感じはあります。)
ウェットグリップについては、これは仕方のないことですが、鉄製のジョイント剥き出しの橋で、きついカーブを曲がる時にはジョイント部で5cm程度横滑りします、速度を落としても若干滑ったな、というのは体に伝わってきます。また、段差のあるコンビニに出入りする時、少しだけアクセル・ブレーキを踏んだ時はツルッと滑ることがありますが、すぐにグリップは回復するので、他の性能が秀でている分、雨には弱いタイヤなんだな、という印象です。
最後に静粛性について。私は年1万km、約500時間は運転するので静粛性は重きを置いています。ビューロまでは手が出せない…そんなところにルマンを見つけてビューロと同じくサイレントコア内蔵、溝壁セレーションというトレッドの縦溝に突起をつけてパターンノイズ(甲高い音)を低減させるル・マン独自の技術が盛り込まれてお手頃価格、なら買うほかないと実際買って走ってみたところ、
履き始め「1インチアップ(19インチ)で鍛造だからやっぱりうるさいか…」
3,000km突破「やっと慣らしが終わったのか気持ち音が小さくなったな」
10,000km突破「いや、普通にうるさいタイヤだ、コンフォートタイヤだからって期待値が高すぎたんだ」
20,000突破「もはやこの騒音が心地いい」
インチアップや鍛造ホイールによるロードノイズの増加の因果関係はよく分かりませんが、主な騒音は低周波数です。しかしスタッドレスタイヤで一気に16インチまで落として騒音が改善されるかと思ったらそうでもなく、デッドニング(静音化)をして感じたのはCX-3は低周波数が目立つ車だということや標準タイヤのトーヨープロクセスR40がいかにCX-3用にチューンされた静かで総合的な性能が高いタイヤだったのか痛感しました。
コンフォートタイヤではありますが総合性能+そこそこの静粛性を持たせて燃費性を重視し、代わりにウェットは少し苦手なタイヤなのかなという印象です。
気になる点はありますがいいタイヤです。そしてあと少しでデッドニング後初めてル・マンVで走ることができるのでワクワクしています。ある程度走ったら再レビューしたいと思います。