私の技量ではフロア・ルーフ施工は難しく、タイヤハウス4箇所とラゲッジを静音化しました。
タイヤハウスはまずタイヤ(ホイール)を外さなくてはならなく、夏タイヤや冬タイヤへの換装作業と同時に施工がおすすめです。
まずフロントタイヤハウス。
クリップが多い上、バンパーと連なっている部分もあるためハウス後方のみの施工。レジェトレックスとノイサスを貼りまくります。
ノックスドール?らしきところへの貼り付けは材料が剥がれてしまいそうだったことと、叩いて音を確認したところ何もしなくても問題なさそうだったのでスルー。
ハウスからはフェンダーの内側が見えると共に結構空洞になっています。多くの人はシンサレートを詰め込んでいますが私はレジェトレックスを15cm×30cmに切ったものをボンっと貼り付けました。フェンダーを叩くと「カンカンっ」という音が「コンコンっ」と変わりました。
続いてリアタイヤハウス。
突起物となっているクリップはネジ状になっているためリムーバーいらず、素手でとれます。
全てのクリップを外し、リアもフロント同様バンパーと連なっているためハウス前面を施工。
リアもノックスドールらしきものが塗布されており、また腐食?らしきものもあり、その箇所への材料貼り付けは控えました。
リアはフロントでレジェトレックスの上にノイサス貼ればよかったなという反省点を実現させました。
ノイサスはレジェトレックスの2倍遮音性があるとのこと。じゃあノイサスだけでいいのでは?と思いましたが私の中ではレジェトレックスが制振材、ノイサスを遮音材と位置付けているためこの2種類の材料を併用しました。
最後にラゲッジ
あらゆるものを車外へ取り出しスペア収納場所まで辿り着きました。そこから内装剥がしでラゲッジ手前の樹脂パーツを外します。2箇所にクリップがあり取り外したら力技で脱着。
ラゲッジ側面も2箇所のクリップを外して10mmのボルトをレンチで外すことでアクセスできるのですが…CX-3の場合ラゲッジ側面の樹脂パーツは後部座席まで連なっています。私の場合は半脱着状態で作業しました。
側面はレジェトレックスとオトナシートを使用しました。
ここで問題が。オトナシートは材料そのものが硬いことと寒いと粘着力が弱いのか凹凸や曲線のあるところには貼り付けることができません。そしてオトナシートの役割としてはゴムの特性を活かした金属等の共振を抑えることで防音するという見方もあるそうで、つまりは遮音材というよりも制振剤?別の遮音材を用意したほうがいいかもしれません。
側面最後はちょっとした空間にシンサレートを詰め込み作業終了。
ラゲッジ底は材料が残り少ないこともあり、全部使い切ろうと贅沢に80%程度の面積にレジェトレックスとノイサスを貼り付け。最後にオトナシートを重ね貼りして終了。圧着作業が大変でした…
そして工具箱(発泡スチロール)の空いた空間にシンサレートを載せて中板を入れその上にもシンサレートをふんだんに入れました。(毛布でもいいかもしれません。)
作業時間は
タイヤハウス45分~1時間×4箇所
ラゲッジは4時間(材料を切ったり圧着でかなり時間を費やしました。)
計8時間程度
効果はかなりありました。
まず運転していて後方からのノイズは運転席まで伝わってきません。強いて言うなら低音域の音が緩和され今まで聞こえてこなかった中・高音域が聞こえてくるようになりました。その音が耳障りかと言うと、そうでもなくかなりノイズの大きさも抑えられている印象です。
前方からの音も重低音がなくなりました。しかし私が不快でなんとかしたかった70~100Hzの音は無くなるどころか緩和されることもなく健在です。しかし長時間、そして色々な路面で走ってみたところ、この周波数はフロアの共振ではなく、タイヤかホイールあたりの共振によるもののように感じます。
少し残念に思うところもありましたが、そのほかにもいい点はありました。
それはやはり低音域の音が緩和されたことにより、今まで聞こえなかったスタッドレス特有の「サーッ」という甲高い音が聞こえるようになったことです。荒れた路面では流石に聞こえませんが、滑らかな路面はもちろん、やや荒れた路面でも聞こえてきます。
ほかにも40km/hまではどの路面でもとても静かで、40km/h以上でも今までより一段階音が小さくなった印象です。
音というのは無意識に脳へ疲労が蓄積していくのだなとも痛感しました。1時間運転すると少し頭がボーっとしますが、静音化後は同じ時間運転しても集中力が鈍ったり疲れを実感することがなくなりました。
また静音化前の騒音についてですが、今回実際に作業してみたことや、数多くの近代マツダ車のデッドニング投稿を見て思ったのが、多くの車種にメーカーがノイズ低減に硬化型の静音材を使っていることや、吸音材もふんだんに使ってワンランク上のクルマに仕上げていること。しかしここ10年程度のマツダは欧州メーカーを意識してなのか路面状況を音で伝えるようあえて究極の静粛性を施さなかったのか…(MAZDA6や旧アテンザ、CX-8はめちゃくちゃ静かだと聞きますしMAZDA3かMX-30辺りからはボディーの最適化で静音材の使用量を最小限にできたとも聞きますが。)
静音化してみて思ったのは、静かになったことで路面状況が分かりづらくなるかというと、それは違います。低音域が緩和されたことで、轍や些細な段差、凹凸な路面の音がより明瞭にわかるようになりました。そしてノイズ発生から減衰まで早く、印象としてはダンロップのサイレントコア内蔵タイヤのようです。
一応アプリで静音化前と後の比較を計測しました。
同じ道(かなり荒れた路面)・同じ速度・フロアでの計測ですが、タイヤだけノーマルタイヤでの計測データしかなく、今回はスタッドレスでの計測と条件が揃えられませんでした。自分の耳ではどちらのタイヤも騒音レベルは一緒のように感じましたので比較してみることに。
ノーマルタイヤ(静音化前)
MAX82db AVG66db
スタッドレスタイヤ(静音化後)
MAX74db AVG64db
やはり自分の耳で結構静かになったなというのは数値にも表れました。アベレージがたった-2dbというのが腑に落ちなく再度計測したところMAX71,AVG62、この計測も同じ道限りなく同じ速度でしているのでどちらの数字が正しいのか…精密なデシベル・周波数を計測できる機器が欲しい。
そのほかにも同じ72dbで周波数に違いはあるか確認したところ、
50Hz以下がよくなっているほか100Hz以降きれいに右肩下がりになっています。
(アプリのアップデートで少し画面の大きさが変わりました。)
徹底比較は春にノーマルタイヤへ換装した時にやりたいと思います。
-材料費-
タイヤハウス・ラゲッジの材料使用量は
レジェトレックス特大四つ折り 2,442円
レジェトレックス小分け30枚セット×2 4,300円
ノイサス3枚入り 4,903円
ノイサス1枚のみ 2,283円
シンサレート1.5m×5m 7,872円
圧着金属ローラーやジャッキスタンド等々 4,000円
計25,800円
重量増は3~5kg?